1.雨の慕情
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
心が忘れたあのひとも
膝が重さを覚えてる
長い月日が膝まくら
煙草プカリとふかしてた
憎い 恋しい 憎い 恋しい
めぐりめぐって 今は恋しい
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
一人で覚えた手料理を
なぜか味見がさせたくて
すきまだらけのテーブルを
皿でうずめている私
きらい 逢いたい きらい 逢いたい
くもり空なら いつも逢いたい
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
雨々ふれふれ もっとふれ
私のいい人つれて来い
2.港町絶唱
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
こんな私も 春には都会で
笑いころげて くらしてた
せまい部屋でも 小鳥を飼って
好きな男に もたれてた
北国行きの 列車に乗って
流れる景色に 泣いたのは
夏から 秋の境い目で
すべてがかげる頃のこと
ああ 海峡に 日が落ちる
そして私は 無口になって
波の音きき 生きている
鴎ばかりが にぎわう海を
日がな一日 見つめてる
落ち着き場所も まだ決めかねて
荷物もとかずに 部屋の隅
秋から冬へ 日が移り
死にたくなれば それもよい
ああ 海峡に 雪が舞う
浮灯台が 身をもみながら
港のはずれに かすむのは
冬から春へとかけ足で
女の胸も とける頃
ああ 海峡に 風が吹く
3.花束(ブーケ)
作詞:阿久悠
作曲:服部克久
※ひとり暮しに慣れたのに
愛も気にせず 生きたのに
罪な心が届けられ
わたし 女を 思い出す※
こんなキザなことは
あなたに違いない
郵便受けにブーケを
さして 帰るなんて
何を話すつもり
あなたがわからない
死んでも いいと泣くほど
つらくさせておいて
(※くり返し)
時の流れだけが
あなたを遠ざける
逢えない日々の長さに
じっと 耐えて来たわ
胸に飾ることは
あなたを許すこと
花束一つだけでは
終わることじゃないわ
やっと忘れた頃なのに
夢の中から消えたのに
罪な心が 届けられ
わたし 女を思い出す
(※くり返し)
わたし 女を思い出す
4.夢ひととき
5.ひまわりワルツ
6.おもいで散歩
7.カクテル
作詞:阿久悠
作曲:川口貴
悲しみ色したお酒に混ぜるものは
涙のにがさ 吐息の重さ
それだけで 充分よ
未練やうらみは 入れないで
どうやら私も またまたもとの一人
ジェラシーなんか 知らずに生きる
一口のカクテルで
陽気に歌えるひとになる
女もなかなかよ
その気になりさえすりゃ
選ぶのも 捨てるのも
いつだって 女しだい
ふられた女を見つめる顔をしたら
グラスの酒を ぶっかけるわよ
いま私 つらいのは
つめたいベットが厭(いや)なだけ
幸福(しあわせ)ベースに 笑いを少し入れて
希望と夢を 一滴 二滴
カクテルの名前など
忘却なんかで いいじゃない
女もなかなかよ
その気になりさえすりゃ
選ぶのも 捨てるのも
いつだって 女しだい
女もなかなかよ
その気になりさえすりゃ
選ぶのも 捨てるのも
いつだって 女しだい
8.頬づえついてブルースを
9.酔いしれて
10.哀々恋々
11.接吻(ベーゼ)
12.ステーションホテル24時
作詞:阿久悠
作曲:杉本眞人
さびしさの あまりに
いたずらの 煙草
立ちのぼる けむりに
涙ぐむ
実りなく 終わった
恋の日を 思い
むなしさの 真夜中
ひとりきり
くるおしい抱擁
信じたい言葉
すべて 投げ捨てて
わたしは 旅へ…
ああ ああ
ステーションホテル 24時
口紅を 落として
爪の色 変えて
出来るだけ 素顔で
眠りましょう
明日の朝 始発で
旅に出る時は
けだるさの かけらも
ないように
華やかな 毎日
にぎやかな くらし
今は もう忘れ
わたしは 他人…
ああ ああ
ステーションホテル 24時
ああ ああ
ステーションホテル 24時
13.あなたの背中に
作詞:阿久悠
作曲:杉本眞人
ふともの想う 横顔や
ズシンと響く 低音や
ひとりの酒の 静かさや
それらのすべて 好きでした
自分を捨てて 生きつづけ
みんなのために 燃えつきる
そういう人が 世の中で
寂しく沈む はずがない
あなたは まだまだ 男ざかり
隠れたファンの 恋歌を
あなたの背中に送ります
お酒を少し 控え目に
色気もちょっと おさえ目に
こころの憂さに 縛られず
昔の笑顔 想い出し
世間の風に 追われても
値打ちが消えた わけじゃない
風邪ひくことの ないように
元気な声で歌ってね
あなたは まだまだ 男ざかり
その気にさせたい 応援歌
あなたの背中に送ります
あなたは まだまだ 男ざかり
隠れたファンの 恋歌を
あなたの背中に送ります
14.冬の恋歌
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
ヘッドライトが大橋わたる
あとは暗闇 真の闇
風は西から北へと変わる
やがて季節は冬になる
わたし 今日から あゝひとりで眠り
からだ からだ からだ ばかりを熱くする
窓を叩けば 風でも起きる
風と知ってて 外を見る
手紙みたいな 枯葉が舞って
涙みたいな雨が降る
わたしあれから あゝ ひとりで生きて
心 心 心 なおさらつのらせる
時雨過ぎたら 小さな星が
空のかなたでまたたいて
やがて消えそうな儚い色が
恋の行方を 占って
わたし それでも あゝひとりで想い
つらい つらい つらい 恋歌くり返す
15.かもめの歌
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
注ぐひとと 飲むひとと
だんまりで むかい合い
別れた男に 似てるとか
会いたい女に 似てるとか
胸のうちでは 思いながらも
窓打つあらしを気にしてる
あんたも 鴎だね
時化だけ 愛敬だね
姿よいのを 鼻にかけ
どこか 薄情な ふりをする
スイーッ スイーッ
不器用な 箸さばき
塩辛が はさめない
可愛い男に 見えるとか
やさしい女に 見えるとか
云ってしまえば 楽になるのに
店の飾りを たずねてる
あんたも 鴎だね
お白粉 上手だね
色の白いを エサにして
人の心を誘ってる
あんたも 鴎だね
別れの 役者だね
心がわりを 知らさずに
追って行くよな 真似をする
スイーッ スイーッ スイーッ スイーッ
16.舟唄
作詞:阿久悠
作曲:浜圭介
お酒はぬるめの 燗がいい
肴はあぶった イカでいい
女は無口な ひとがいい
灯りはぼんやり 灯りゃいい
しみじみ飲めば しみじみと
想い出だけが 行き過ぎる
涙がポロリと こぼれたら
歌いだすのさ 舟唄を
沖の鴎に深酒させてヨ
いとしのあの娘とヨ 朝寝する
ダンチョネ
店には飾りが ないがいい
窓から港が 見えりゃいい
はやりの歌など なくていい
時々霧笛が 鳴ればいい
ほろほろ飲めば ほろほろと
心がすすり 泣いている
あの頃あの娘を 思ったら
歌いだすのさ 舟唄を
ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
未練が胸に 舞い戻る
夜ふけてさびしく なったなら
歌いだすのさ 舟唄を
ルルル……
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